悪夢、門前の記憶/否定の楔*/ひだかたけし
私が呆然として
その光景を
凝視していると
次第に
それらが ウゴメキハジメル
辺りにいつのまにか響いている
ヴゥゥウという低いモーター音と共に
ト 唐突、
それら
無数のザワメキトナッテ
一斉に立ち上がり
一気に私の中に
雪崩を打って侵入して来る
このままではじぶんがじぶんでなくなってしまう
ジブンガカレラニ奪ワレテシマウ!
私はもはや夢も現も錯綜した混沌のなか
自分の名をジブンのナを
ひたすら反芻し繰り返し
半狂乱になって脱出口を探す
逃げなければ
カレラカラ逃ゲナケレバ!
★
気付くと私は、廊下に打っ伏している
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