小さなメモふたつ/由比良 倖
 
ヘッドホンを付けて安らいでいられるのは申し訳ないくらいです。雑音がお似合いな私ですから。私はキーを叩いていますが、私は消えるのが怖いのでしょうか? それとも消えたい気もします。快感を駆け上るのか虚無へと下るのか分からない。(傷口は、空への唯一の道だと思うのですが、それも怖いのでしょうか? 死は、私の唯一の自由かもしれません。)
いろんな物事があって拡散していくような私ですが、本当は囚われていて、私の望む拡散とは掛け替えのない白昼夢のようなものです。白い、昼の、夢。Apple Musicとか要らないなあ、と思うのですが、要らない以上に忘れたい。忘れるつもりでぱちぱち書いて、泣けないくせに、涙ばかり
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