クリスマスプレゼント(修正版)/板谷みきょう
 
に、少しずつ広がっていったのです。
けれど、ある冬、おじいさんは重い病に倒れました。

近所の人たちは、自分たちの貧しい暮らしのなかから、交代で世話をしてくれました。
その手は不器用で、疲れも見えましたが、心はあたたかく、おじいさんはそれを敏感に感じ取りました。病は、冬の霜のように、日ごと深まっていきます。
雪のちらつくクリスマスイブ――
おじいさんは、胸に小さな不安と決意を抱きながら、静かに床に横たわりました。

その夜、病室に、星あかりのように透明な神さまが現れました。
「お前は、この世のちっぽけな利益を顧みず、子どもたちや人々のために夢を語り続けた。その純粋な心の報いとして
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