ぼくの千年王国/中庸くん
 
 こころの傷で息している。朝の透き間におぢゃましているようだ。居心地を深呼吸で整える。すきな音楽は曲で数えるほうが早い。つまりは特定のミュージシャンへのこだわりはない。

 エレクトリックギターの音はすこし遠くて。叫んでいる誰かとしてのロックン・ロールはバースデーケーキの蝋燭へと巨大なライターから火を灯すようで過激ながらに弱々しさを感じる。

 それでも、ジョン・レノンは例外だ。激しさの波の感情がときに優しく凪いでって、咽び泣きとしての深々しさの愛情は透明に溢れているものだから。

 深い静けさの雫の海で出逢えたぼくの恋人をぼくはいまからなんと呼ぼうか考えている(恋人はいつまでも恋人ぢ
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