カケスすなぜ、泣かないの  蒼風薫/エヴァル−ジュ
 

鏡すぎるガラスの前でついうまいもん見つけて

さて幸せいっぱいで首を伸ばしたら
真っ黒でいびつなこれが自分なのかと

愚かな馬鹿カケス!

と言って悲しみが寂しく消えてゆくのを

泣きながら赤いランドセルの松寿が見ていた
三つ編みと十字架と、リボンの制服の歳になって

ふと  かのカケスを思い出した少女は

その日からいなくなった  あの日を探しに行くために
だって気になって気になってたまらなくなって

行方不明も時効だと、お葬式とき

倒産も母さんも  もう涙も枯れていたらしい

とそこへ(そこへ)知らせに戻ったポエジーが

どんなに歌っても  ど
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