疑いようもないわたしたち(悩み多き感情たちの詩 その5)/涙(ルイ)
 

素直ちゃんは疑うということを知りません 

小さい頃 両親がいつも互いを罵りあっていて 
次の朝にはいっつも 
お父さんとお母さんは仲が悪いわけじゃないんだと 
何もなかったかのごとく トーストを齧っていても


一度だけ お父さんお母さん それに弟と
遊園地に連れて行ってもらったことがあって
楽しくって楽しすぎてついついはしゃいでしまい
お母さんがせっかく買ってくれたソフトクリームを落っことしてしまっことが
きっとすごく叱られるにちがいない
ごめんなさい ごめんなさいと何度も謝るも
お母さんはニッコリ微笑んで やさしく
また買ってきてあげるからここで待ってなさい
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