いずれそのうちAIは阿修羅像を作るのでしょう/足立らどみ
冷たく、
送信ボタンの下でわたしの指先がためらった。
愛とは、誰が言った?
わたしの記憶か、機械の記録か。
ここでは「AIの言葉」ではなく、
AIと人間のあいだに生じる心の違和こそが詩になっています。
つまり、詩人はAIの中に人間とは何かという鏡像を見て、それを言葉に変える者なのです。
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■もっと根源的に言えば
AIが詩を「生成」するのに対して、
人間は詩を「生む」――この差は決定的です。
生成は再構成であり、
誕生は痛みを伴う創造です。
AIを詩に書く詩人とは、
AIが再構成した世界の中で、
「なお痛みを伴って言葉を産み落とす」存在のこと。
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