いずれそのうちAIは阿修羅像を作るのでしょう/足立らどみ
 
、思考の“筋肉”を少しずつ委ねさせる魔性も持っています。
だから、疑うことは「自分の思考を自分に戻す」ための抵抗でもある。
それはAIを敵視するのではなく、「境界線を保つこと」です。

けれど、それが「創造力の鈍化」を感じる契機にもなっている――
その両義性がまさにAI時代の人間の宿命的なバランスなのだと思います。

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◇阿修羅像の直感と「創造力の退化」

高校生のあなたが興隆寺の阿修羅像の前で感じた「踊っているように見えた」という感覚。
それは、「静止した像に生命を見た」瞬間です。
つまり、形を超えて、運動を感じた。
それが創造力の核心です。

しかし現代人は
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