全行引用による自伝詩。 05/田中宏輔2
 
おいてまったくびっくりするような出会いというものは、たとえばわたしとフェルナンドの再会は、無関心な人間のあいだを通してわたしたちを近づける見知らぬ力の結果にほかならないのであり、それはちょうど鉄の粉が少し離れたところからでも強力な磁石の磁極に向かって引きつけられるようなものであり、仮に鉄の粉が現実を十分に把握しえないまでも自分の行為が少しでも理解できるとしたら、その動きにおそらくびっくりすることになるだろう。
(サバト『英雄たちと墓』?・3、安藤哲行訳)

偶然なんです。
(カミラ・レックバリ『氷姫』?、原邦史朗訳)

(…)ある未知の展覧会で行きずりの偶然に──というのは彼らはいつも
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