いつか踊れる日のために/
 

なんとなく
の生き辛さが
ここのところ毎日のように降っているなと思っていたら
とうとう玄関先にうっすらと積もり始めた

なんとなく
踏みしめてはいけないような気がして
おそるおそる
ぐるっと迂回するようにして家を出る

重い足取りが
なんだかんだでリズムを生み始め
バスに乗り込むころには
不思議となんとかなるような気がしてくる

すれ違う人の顔を
なるべく見ないようにしながら
明るい挨拶だけはかかさずに
一日を歩いていく


+


なんとなく
明日が近づいてくるのを感じて
仕方なく帰りのバスに乗る

窓の外へ視線を向けると
なんとなく
[次のページ]
戻る   Point(5)