全行引用による自伝詩。 03/田中宏輔2
 
ったりするどころか、それらの存在することを肯定するのだ。関係は自己充足的ではない。
(トルマーゾ・ランドルフィ『ころころ』米川良夫訳)

どんな秘密も、そこへ至る道ほどの値うちはないのですよ。
(ゲルハルト・ケップフ『ふくろうの眼』第二十二章、園田みどり訳)

まるで存在しなかったかのように
過ぎ去るのは、
記憶に留められないもの
だけに限るのかもしれない。
(ゲルハルト・ケップフ『ふくろうの眼』第二十四章、園田みどり訳)

 宋人の茶に対する理想は唐人とは異なっていた、ちょうどその人生観が違っていたように。宋人は、先祖が象徴をもって表わそうとした事を写実的に表わそうと努め
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