全行引用による自伝詩。 03/田中宏輔2
るものです。魂以外のどこにも見いだすことができません。過去についての現在とは「記憶」であり、現在についての現在とは「直観」であり、未来についての現在とは「期待」です。もしこういうことがゆるされるならば、たしかに私は三つの時を見すまし、それどころか、「三つの時がある」ということを承認いたします。
それでもなお、不正確ないいならわしによって、「三つの時がある。それは、過去と現在と未来だ」といいたい人があるならば、いわせておくがよい。私は気にしないし、反対もしないし、非難もしない。ただし、そこにいわれていることの意味をよく理解していなければならない。未来であるものがすでにあるとか、過去となったものが
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