マッスルドッグ/歌留多カタリ
わせ
傷口を舐めあう犬の舌で
明かりの局所を捜してる
ぼくたちはどこからやってきて
どこへいったらいいのさ
問う喉の奥がそこからでは覗けないんだ
あなたたちは青臭い草原を疾駆する
ただの飼い馴らされた犬じゃないのかい
まとわりつくものを振り払い
それぞれの部屋の辺境の椅子に座りこんで
実質的に分かり合えるものが
何もないのだと思い知らされるまで
無駄な時間を過ごしたと嘆いた
あの日から温もりのない激しい
言葉の舌でぺろぺろ舐め合ってただろう
そのことを知れば知るほどに嘔吐する
夜の小石を震わせ傷口を舐め合う犬の舌で
別れのワルツを踊ってみせる
諸君、世界
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