サロメ/guest
 
月の晩
私はいつものように君を探しに出掛けた

明るい内は君の為に働いて金を稼いだ

帰ってきたら夜の相手をした

月の晩
私はいつものように君を探しに出掛けた

黒檀のような髪、祈るような眼差し、雪に触れる指

お腹が空いてるんじゃないか、と思ってサンドイッチを作った

月の晩
私は夜にも虹が出ることを初めて知った

あちらから帰ってくる人がいるのかなぁ

サンドイッチを入れたバスケットが揺れている

君はいつも人を馬鹿にして食い物にすることだけを考えていた
どれだけ肥え太ろうとも醜いことを気にしなかった

月の晩
君を探しに行く時、私はいつもと
[次のページ]
戻る   Point(3)