【わが短歌・俳句入門】<女性歌人と海>/藤原 実
ば消えてゆくべし
川野里子(S34〜)
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「さやさやと」とはなんとも頼りないが、頼りないのはふるさとの存在感なのか、それともふるさととじぶんを隔てている海の存在感がたよりないために、その彼方のふるさとも強く実感することができなくなっているのか?なんだかアイマイになってきます。
潮風に君のにおいがふいに舞う 抱き寄せられて貝殻になる
俵万智(S37〜)
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われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる
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