終わり続ける夏の日/ホロウ・シカエルボク
 
る?と君は言う、大丈夫、と僕は答える、正直息をするにも難しい状態だったけれど、それだけは言っておかなければいけなかった、すぐにおさまるから、と言ってしばらく支えてもらう、そうしているうちに雨はやんだ、太陽が過剰なくらい辺りを照らし始めると同時に、次第に気分も良くなってきた、帰ろう、と、僕は言った、私何か、余計なこと訊いてしまった?と君は僕の顔を覗き込む、なんとも言えない不安に突っつかれているような顔をしている、そんなことない、と僕は否定する、ただ僕の中にほんの少しどうしようもない記憶があるだけさ、と、出来るだけ冗談めかして答えたけれど、目だけは笑えていなかったかもしれない、君がそれに気づいたかどう
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