終わり続ける夏の日/ホロウ・シカエルボク
出すのよ、その時のことを、こんな風に、人生に隙間が出来たみたいな時間にね、人生の隙間か、と僕は反芻した、あなたの人生はとても隙間が多いわね、と君が僕をからかう、僕は苦笑する、完全に同意する、と僕は返す、君はきゃははと笑う、あなたはないの、と君が尋ねる、うん、なにが?と僕は返す、もう、と君は膨れる、何度も思い出す場面よ、と僕の肩をぽんぽんと叩く、何度も思い出す場面、僕はその言葉を額面通りに受け取ることが出来ない、身体中の血が冷えるのがわかる、君はすぐに僕の異変に気付く、ちょっとどうしたの、と、ぐらつく僕を支える、心配と、何か余計な扉を開けてしまったのかもしれない、という感情が表情に現れている、座る?
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