終わり続ける夏の日/ホロウ・シカエルボク
 
、勢いはまるで落ちていない、だけど、そんな雨だって嘘のようにやんでしまうことがある、それが希望と言えば希望だった、なにしろここは街中じゃない、一応人の居住区だって近くにあるけれど、晴れていたさっきまでだって人なんて数人しか見かけなかった、そういう古い住宅地、おまけに、逃げ込んだ高架下はそんな住宅地からは少し離れた丘の上にある、バスもタクシーも拾えそうもなかった、でも、それはどうにでもなる、タクシーならスマートフォンで簡単に呼ぶことが出来る、でも、以前に比べてタクシーなんて簡単に利用出来る値段じゃない、ある程度の距離じゃないと申し訳ない気持ちになるし、出来れば雨が止むのを待って来た時と同じように歩い
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