終わり続ける夏の日/ホロウ・シカエルボク
ほんの一瞬のため息みたいなきっかけで降り始める夏の雨、傘を持たない僕たちは高速の高架下に急いだ、雲の上の貯水槽が割れてしまったみたいな降り方だった、それでなければ、広範囲に拡散された滝のようだった、降って来るというよりは落ちて来る、次々と水が落下してくる、落石みたいな、落水、僕たちはそれを見ながら大変なことになったなと思う、君は濡れた大きめのシャツや髪形を気にしている、雨はやみそうにない、昔そんな歌があったな、と僕はぼんやりと考えていた、君は小さなくしゃみをする、寒い?と反射的に聞いてしまって、僕は自分を馬鹿みたいだと思う、まだ九月になったばかり、大丈夫、と君は短く答える、僕はまた雨を見る、勢
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)