時の砂塵/月乃 猫
時は、風化の砂塵
砂丘より 蒼い星を子どもたちが
みつめる
大気のない無音のそこからみる
星は かぎりなくウツクシイ
集約される
かわらぬ 社会の列車は喧騒のすえ
プラットフォームにすべりこむ
継ぎ接ぎの客車は、
その小さな空間に
楽しく笑いあうもの
苦しさに 顔を背けるもの
罵りあいも、
無関心をよそおう者は 車窓をみつめ
分析に 言葉を探すものはへつらいに、
誰もが 小さな空間で満員にあえぎ
素朴をよそおう
命を絶った
砂丘の子どもたちは、
それを眺め
生きものの世界で、
異質なものが 除外されるように
悲しみの砂を 握りしめ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)