動き続けてはいるが解釈は異なる/ホロウ・シカエルボク
 
ものが必ずある、コーヒーを少しずつ啜る、それはもう始まっている、区切られた一日は同じ行動によって消費される、消費される…そこで失われるものは財布の中の金なんかじゃない、もっと致命的な何かかもしれない、でも気付けないのなら問題にする必要すら無い、どちらでもいい、やらなければならないことは決まっているのだ、少しずつ飲むのが面倒臭くなってくる、火傷を承知で流し込み、痛い思いをする、何度同じことをすれば気が済むのだろう、これに関しては死ぬまで直る気がしない、気持ちが急いてしまう、忘れてしまって、冷めてしまうのが怖いのかもしれない、温くなったインスタントコーヒーには確かにこちらを咎めるような何かがある、俺は
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