「文学極道」への弔辞(再校正済み編)/室町 礼
ない難解な「説明文」のほうが現代詩には多いかもしれま
せんが選択と転換がなければ同じことです。日記です。
「海には人がいつも溢れている。」という説明。
「カモン、カモンと鴎は空を飛び交っている。」という説明。
「海の青は、カモン、カモンと空の青に混ざりこみ、鴎はいま
だ完全には混ざりきらない二つの青の間を、行ったり来たり彷
徨いながら、新しい青の侵入を待っている。」という説明。
いや、わかるんですよ。長ったらしいけどいわんとすることは。
でも選択と転換の意識があればこんなものは二行で書ける。
外国小説に感化されたような一種の新鮮なリズムはあります。
韻律はまあまあといえるでしょ
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