「文学極道」への弔辞(再校正済み編)/室町 礼
 
、ぼくは新しい青になって、カモン、
 カモンとあの空と海に混ざりこむだろう。

これもわたしにいわせると「説明文」なんです。「日記」です。
「日記」というのは実は記録じゃなくて、それが生まれたのは
つい最近で非常に近代的なものなんです。自己の内面をだれに
も見られぬところでこそっと吐露する必要があったのです。と
くに日本のような〈空気〉が支配する社会では戦前など隠れて
こっそり自分をガス抜きするため日記が書かれた。だからまさ
に詩の原型ともいえます。「日記」といったからといってバカ
にしているわけじゃない。
読みやすいから日記だ説明文だといってるわけじゃなく誰にも
読めない
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