「文学極道」への弔辞(再校正済み編)/室町 礼
 

内容のことではなく冒頭のモノとは表現の質にお
いて乖離がありすぎる。
これは一体どうしたことだ?
三連、四連、五連、六連も話にならない。

  出船 入船 別れ船
  あなた乗せない帰り船

  別れりゃ三月待ちわびる
  女心のやるせなさ

  呼んでとどかぬ人の名を
  こぼれた酒と指で書く

  女心の残り火は
  燃えて身を焼く桜島

もちろんわたしなどには書けない技巧的な歌詞で
あることはわかりますけど、どこにもあるあたり
まえに歌謡曲らしい台詞ばかりでした。一連の一
行それに続く二行だけが現代詩として成立してい
るような気がしたのですがこの作
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