吠えるよりも先に噛みつく場所を決めておけ/ホロウ・シカエルボク
 

狼たちは咆哮を繰り返しながら血の匂いがする方角へ走る、真夜中はほんの少し音の響きがいい、俺は群れを横目で見ながらすれ違う、それは結局のところ社会の一員であることと同じなのだ、オリジナルという観念が無い限り抜けられない強固な檻だ、是か非か、正か負か、気持ちがいいほどにシンプルだがそんな思考が何かを生み出したことがあるかなんてことについては、答えを出すのに考え込む必要すら無い、彼らは楽な方へ流されているみたいに見える、敢えてそれ以上のことは何も考えずに生きているみたいに見える、そしてそれは多分間違いじゃない、一度も檻から出たことがないものには外の世界の広大さはわからない、陳腐な言い方をするならば、
[次のページ]
戻る   Point(4)