どうせ迷うなら命を賭けて/ホロウ・シカエルボク
人間を試すような荘厳とも言える風景が続いていた、でも何故だろう、わたしはそれを怖ろしいとは思わなかった、どちらかと言えばそれは息を飲むほどに美しかった、こんなところに死ぬためにやって来るなんてただの冒涜ではないのか、わたしは足を踏み入れて間もなくそう感じ続けていた、それは違和感といってよかった、あらゆる噂や現実と照らし合わせてもとても美しい森だった、わたしがお金とか権力を持っていたら、無理を通してこの森の真ん中に家を建てるだろう、本当に、ただの美しい景色だった、ある程度奥まったところで住処を決めなければならない、とりあえず今夜落ち着く場所を暗くなる前に見つけなければならなかった、いや…そんなのどこ
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