どうせ迷うなら命を賭けて/ホロウ・シカエルボク
 
どこでもいいのではないだろうか?いまのところここには誰も居ない、ちょっとした窪みにでも座れば、夜になればそこに居ると認識されることもないだろう、そう思うと焦る気持ちは無くなった、そうだ、こうやって、焦ってしまう気持ちを捨てて行けばいい、わたしはわたしとして生きる道を見つけるためにここに来たのだ、どうでもいいようなことにこだわって時間を無駄に費やしてしまうようなことはもう終わりにしなければならない、と、考えているうちに木々のほんの少し向こうを車が走って行く音が聞こえた、随分深く入ってきたと思っていたけれど、道路の脇を平行に移動していたということか―それならば―わたしは車の音が聞こえた方を背にして、全
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