暑い夏の記憶から─南京大虐殺物語について─/室町 礼
 
ども、こら。
真面目に戦争犠牲者のことを考えたことが一度でもあるのか、こら。

わたしは日本地理院の下請けの下請けのさらに小さな孫請けの
地図測量会社の
測量棒をもって歩く仕事をやったことがあります。
わたしだけでなくその測量会社は地元のじいさんたちも雇い
プロは数名いれば済む仕事ですから一緒に山から河から町へと
測量棒や機材を担いで、てくてく歩いたものです。
山間部を越すときにはただひらすら歩くだけですから60前後の
爺さんと世間話をしながら歩く。
山に生息する野良犬と出くわしたとき爺さんのひとりが戦争
中の話をしてくれた。
中国捕虜と軍用犬を大きな柵の中に入れて兵隊皆
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