running water/ホロウ・シカエルボク
 
の部屋に居る感じとでも言おうか、なにか他とは違う感覚が確かにあるのだ、同期のミュージシャンが次々と墓に入ったのに、ローリング・ストーンズはまだツアーを続けている、もう御伽噺の領域だ、歯を磨いて顔を洗い、軽い服に着替えてベッドに横になった、夢の中でずっとあの音が聞こえていた、忘れるくらいの間隔で―その度に眠りから覚めて灯りを点け、辺りを見回した、そして灯りを消してもう一度眠ると熟睡したころにもう一度鳴る、その繰り返しが朝まで続いた―奇妙過ぎる―翌日も休みだったのは幸いだった、問題はそれが昨夜だけのことなのかどうか、というところだ、俺はもう何も気にしないことにした、爆弾が落ちても目覚めないくらい何かに
[次のページ]
戻る   Point(3)