禅宗/杉原詠二(黒髪)
わたしは身をベッドに横たえて眠るとき
あばら骨が折れて肺に突き刺さりそうな苦痛に襲われた
そっと体を横たえ
恐怖に震えながらなんとか眠りについた
しかし朝起きたときは得体のしれない恐怖に襲われた
寝ても地獄
起きても地獄
夢などまったく見なかった
気絶するような眠りがあっただけだ
わたしは時間を無駄にしていると思った
いやそうではない
よく思い出すと
眠っている最中も
際限のない苦しみを感じていたのだったっけ
ただ座ってパソコンに向かっている時と
小便、嗚咽吐瀉をしている時だけ生きている実感があった
冷たいお茶を一日に二十リットル飲んだ
それでもわたし
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