雄弁で曖昧な結晶/ホロウ・シカエルボク
 
違いを、二年ほど俺は感じ続けた、もっとあれに近付けるやり方があるはずだ、簡単に言うと、俺は力技をやめた、勢いで維持していたテンションを、もっと違う形で整えるようになった、思ったより時間はかかったよ、半年くらいは模索したんじゃないかな、誰にもわからなかったかもしれないけれど、とにかく俺はそれを手に入れたのさ、俺は今理想の先を歩いているんだ、どこかで型にはまろうとする自分が居る、出来上がってしまおうとする自分が居る、でもそこに陥りそうになったとき必ず、見たことも無い芽が顔を出す、そいつを見つめていると、自分がこれから何をすればいいのか自然に理解出来るのさ、何か目に見えない力が俺をそっちに引き込むんだ、
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