雄弁で曖昧な結晶/ホロウ・シカエルボク
 
しいんだ、でも俺にはわかっている、そいつらが居るからこそこうしてここまで生きて来れた、どんな煩わしさも無しに成長など出来る筈もない、この人生にまだ先があるからこそ、そいつらは力の限り禍々しい声を俺に聞かせ続けるのさ、だから俺は書き続ける、もしもここで俺が手を止めたら内側からそいつらに食い破られるからね、どんな惨めな死を遂げることになろうと何も出来ない自分を肯定しようとは思わない、俺にはまだまだ出来ることがある、それを証明し続けるんだ、こうした羅列だって去年や一昨年に比べると全然違う、視点の置き方が変わった、力のかけ方が変わった、バランスの取り方が変わった、頭の片隅にぼんやりと見えているものとの違い
[次のページ]
戻る   Point(3)