雄弁で曖昧な結晶/ホロウ・シカエルボク
 
手段を初めから持っていたからだ、その辺の馬鹿みたいに闇雲に自意識を振りまくようなみっともない真似じゃなくてね、その為に何をすればいいのかってことをきちんと理解していたってわけさ、なに、異論は認めるよ、でないと、異論しか唱えられないやつらが可哀想だからね…異論ぐらい言わせてやるよ、それがここ数年で俺が学んだことさ、わからないやつはわかっているふりをするだけでいい、それ以上にも以下にも行くことはない―いや、以下はあるかもしれないけど、まあそんなことどうだっていいか、俺の体内にはいつでも無数の言葉が荒れ狂っている、凶暴な亡霊のようなそいつらはいつだって出口を求めて咆哮している、振動が骨まで響いて煩わしい
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