言葉の持ち主は僕です/自画自計
 
少し行った所に大きな本屋がある
キャッチ―なお題で
少し濃い目に化粧した本たちが
私は本ですってアイドルの顔して
凛と立ってみたり
人気者のふうで積み上がってみたりする

最近はお洒落な本屋が増えた
そこにあるのは棚とペーパーと文字だけなのに
色とりどりに咲いてる
僕もお洒落な街で流行の服をまとえば
同じに見えるものだろうか

残念なことに僕は本を読むのが苦手だ
正確に言えば文字を追うのが下手くそだ
追うことに集中して気持ちと風景が
遅れてやってくる
字幕の映画を眺めてるようで

本には書き手の責任と権利がある
本は書き手の想いと文字を守る
守られた文字は
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