五月雨の拙歌集/まーつん
 




くだらねえ
呟くほどに乾いてく
喉よりもっと深いどこかで



覚えては
忘れまた覚えまた忘れ
記憶のラリーはいつまで続く

また一つ
指間に弾け飛ぶピンチ
行き場に迷う濡れたワイシャツ

棚に立つ
俯き気味のガンダムの
積もる埃に気付き得ぬ日々


降りしきる
雨の行方を想う時
流れ去るのは周りの景色


寒暖を
行ったり来たりダンダダン
足踏み鳴らし、季節を起こせ

白タオル
肩に羽織ったオッサンの
背中は今日も何かを語る

淀みゆく
義理人情の泥海に
モーセとなりて道を開かん


雨風を
しのぐ宿たる
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