五月雨の拙歌集/まーつん
 
たるビルの風
今日何本の傘をへし折る

打ち付ける
雨打ち返す心意気
馬鹿はおよしよ風邪を引くから

街灯が
物悲しかったひと昔
今はただ目を刺すLED

帰宅して
ソファに崩れる午後十時
もう立てはせぬと菓子を貪る

エアコンが
少しきつめに冷やす夜
死んだ目をして眺めるモニタ





傷つけて
己の爪に残る血は
なすりつける当てのない罪



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