Lark's Tongues in Aspic。/田中宏輔
 
一度、           (サムイル・マルシャーク『森は生きている』湯浅芳子訳)

約束したじゃないですか     午前一時にふたたび電話をかけてくる。
と言ってきた。         (フローレンス・トレフェセン『背信』中上哲夫訳)

なるべく音がしないように    これが証拠じゃないか?
ぼくは受話器を置いた。     (エリカ・ジョング『飛ぶのが怖い』12、柳瀬尚紀訳)


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蜜蜂がぶんぶんうなっている。
(ガルシン『四日間』神西 清訳)

顔のあたりを色(いろ)彩(ど)っている。
(夏目漱石『吾輩は猫である』一)

目をそらそうとし
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