Lark's Tongues in Aspic。/田中宏輔
 
としても、ついつい見とれてしまう。
(ポール・オースター『ムーン・パレス』6、柴田元幸訳)


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 広辞苑で、「いっぱい【一杯】」という言葉を調べると、「一つのさかずきや茶碗に満ちる分量。」という意味や、「ある限りを尽して限度に達するさま。ありたけ。」とか、「思う存分。したいだけ。」といった意味が載っていた。だいたい知っていた通りだったのだが、このような言葉から、一即全が、そしてまた、汎神論が連想されたので、一応、調べてみたのである。ついでに、「杯」も調べてみた。「さかずき」という意味であった。これまた、知っていた通りの意味だったのであるが、「さかずき」を「宇宙」の象徴として
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