夢のあと/栗栖真理亜
 
の手に握られたテープレコーダーは僕の手に届かないところまで頭上高く挙げられた。
「知らない男に乱暴なことされて感じちゃったの?」
面白そうに笑みを浮かべながら聞くタツミさんに耐え切れなくなった僕は彼に掴みかかった。
「やめてくださいッ!」
「おっと。コレ、外部に漏らしちゃうけど、いい?」
テープレコーダーはより高く掲げられ、それを奪い返そうとした僕が半ばより掛かるような形で手を伸ばした瞬間、タツミさんのほうへよろめいた。倒れそうになった僕を受け止めるように強く抱き締めて、彼は囁く。
「君はただ俺の言う通りにすればいい」
それからはもう、完全にタツミさんのペースだった。僕が男達に犯され
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