夢のあと/栗栖真理亜
際にお互いの唇から透明な糸となって引いていく。
「ねぇ、これだけだと面白くないから、もっと趣きのあることしようよ」
タツミさんは胸ポケットからテープレコーダーを取り出すとカチッとスイッチを入れて床に置いた。
レコーダーのテープがクルクルと回り、雑音に混じって聞き覚えのある声で喋り出した。
《?ッ……!グぅうう……ッ……!!あッアッ……!》
《もしかしてコイツ、コレで感じてるのかよ?》
棒で捏ねた時のネチャネチャとイヤラシイ水のような音と下卑た男達の笑い声。
僕の手は慌てて床からテープレコーダーをひったくろうとしたが、その前にタツミさんが素早く奪い取ってしまった。そして、タツミさんの手
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