夢のあと/栗栖真理亜
 
僕がそれに頷いたのかどうかはそこのところはよく覚えてない。ただ、タツミさんはぼくにそう尋ねてから耳朶を甘噛みしてきた。思わず僕が避けようと首を捻ると、「ダメだよ。もっと感じてくれなきゃ」と言って後ろからきつく抱き締め、シャツの上から乳首を捏ね繰り始めた。
「つ……ッ……!!」
僕が感じ出すと、柔らかに笑みを湛えながら、「嬉しいよ。やっと感じてくれて」と更に愛撫の手を強めた。
「アッ……!や、やめてください……ッ!」
もし今ここに後輩か管理人が来たら、と思うと居ても立ってもいられない。僕は小声で注意を促した。
ところがタツミさんはそんなことお構いなしに愛撫の手を緩めようとはしない。
「ど
[次のページ]
戻る   Point(1)