日記(思うこと)/由比良 倖
てるだけでべらぼうにすごいのに、全然すごくないと思い込んでる。
生きることは苦しい。経験的に。でも、苦しくなければいけない理由なんて無い。
僕は父に怯えていると思う。常に父の機嫌を伺っているし、父を落胆させているのではないかと気になってしまう。いくら、「大丈夫だ、僕はすごい」と思い込もうとしても、いい歳して僕は怯えた子供のままだ。父はよくお金の話をする。その度に、僕は父から多大な借金をしているような気がする。返済の宛てもない。僕がお金を稼げるようになるまで、この怯えは続くのだろうか? 何か、父の期待に応えなければいけないような気がする。「この家に住んでいるけど、僕は僕の好きなようにやる
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