欲望の経路/ホロウ・シカエルボク
 
までで一番上手く言えてるような気がする、そうしないと生きるどころかその日満足に眠ることも出来なくなってしまうんだ、書くことをもしも選ばずに生きていたら今頃壊れていたかもしれないな、なんてたまに思うよ、まあ、そんなことを言ったところで、確かめる手段なんてまるで無いわけだけど、俺はそうして一日の喪失、死や再生を数え続ける、罪や嘘や善行を数え続ける、自分の本質的なもの、身体の最奥にあって姿を見せることの無い何かの爪先に触れる、そしてこれは間違っていないと確信するのさ、そういうのって身体で感知するものなんだ、間違ってないって身体が感じるんだよ、興奮とか、或いは内奥の静寂さとかね、そうやって自分自身の真実に
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