欲望の経路/ホロウ・シカエルボク
実に近付いていることを認識するんだよ、俺がいつも口にしているリズムっていうのはそういうことなんだ、確実にそれに近付くためのリズムというものがあるのさ、それは俺の肉体の中で息づいているリズムなんだ、そうさ、三十五度死んで四十二度生還した、それは自分の中に深く潜ろうとする闘いの記録なんだ、時には思い出すことすらなかった記憶の断片で酷い怪我をすることもある、そんな時に溢れ出る血の量ときたら、あっという間に気管をすべて塞いでしまうくらいの勢いだぜ、身体が動き続けていればそんなものも一瞬で吹き飛ばすことが出来る、だから俺は身体をなまらせることは絶対にしないんだ、そう、それは闘争心と言ってもいい、野性と言った
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)