欲望の経路/ホロウ・シカエルボク
目的はさっきも言った通りだ、作品を作ろうなんていう気持ちは微塵も持っていない、俺が書きたいと思う気持ちは、放水のようなものだ、巨大なダムの壁面から吐き出される大量の水のようなものさ、それを行わないととんでもないことになるんだ、根本からぶち壊れて跡形もなくなってしまうのさ、中に溜まったものが多くなりすぎるとあまり良くない衝動にとらわれる、観念的な破壊、観念的な殺人、そういったものが脳味噌をうろつき出す、だから吐き出さないといけないんだ、出来る限り大量にね、そして頭の中をスッキリさせるのさ、いろんな呼び方をしてきたんだ、調律とか、デフラグとかね、でも、放水っていうのは一番気に入ってるよ、多分、いままで
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