欲望の経路/ホロウ・シカエルボク
その日は三十五度死んで四十二度生還した、誤差の中に何があるかなんて俺にもわからない、きっといろいろなことが行われて上手くいかなかったのだろう、そう片付ける他に手は無い、一生なんて大きな枠で語ったり出来る筈がない、人間にはその日一日を生きることを語るのが精一杯なのだ、だから俺は書ける限り書こうと思った、思いつくままに、辻褄など気にせず、ただその、書こうとした瞬間のありのままの蠢きを、あまり考えずに、ひらめきをそのまま指先で表現し続けようと思ったんだ、技巧的なものには興味はない、別に書くことに限らず、すべてにおいてそうだ、技巧的なものにはまるで興味がない、それは目的が違うからだ、俺がこれを書く目的
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)