彩の瘡蓋/ホロウ・シカエルボク
ど、その頃は凄く賑わっていたんだぜ、その商店街には食器の店があって―その店の横に小道があったんだ、そこに警察官が数人居てさ、なにかを調べていた、ああ、なんかあったのかな、と思いながら家に帰ると、家族が、あんた大丈夫だったか、なんてことを聞くんだよ、俺はなんのことだかさっぱりわからなくてなにって訊いたらさ、俺の帰り道で通り魔が、ひとりを包丁で刺して逃げたって話だった、あれはなかなかのインパクトがあったね、でもいつの間にか忘れちゃってたな…同じころか、少し前くらいか、家から自転車で十分くらい走ったところに大きな公園があってさ、遊具とか、グランドとか、噴水とか…いろいろな設備があったんだけど、その敷地の
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