生きるのって苦しいばかりなんだろうか?/由比良 倖
した文学と、そして音楽だけだと僕は個人的にずっと思ってる。宗教も心理学も、出る幕は無い。哲学? それは膨大なルールブックの上に成り立っている。社会に既に出来上がってしまったルールを突っつくくらいなら、哲学にも出来る。でも、ルールそのものを支えている、世界そのものという基盤中の基盤を叩けるのは、論理が存在する前の感覚だけで、そしてその感覚を尖鋭化するツールとしては言葉が手近でありつつ、同時に最も強力な手段なのだ、それこそ世界を揺るがすほどに、ということを僕は中也に習った。言葉に対して、その無力無意味に対して絶望していた時期に。(追記:これはあくまで僕の個人的な感慨です。文学と音楽に、僕は論理以前、あ
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