ハイパーソニック。まぶしくて、くらい、ハイパーソニック。/竜門勇気
 
て夏のTシャツに薄いパーカーを羽織って
茶色い澱の塊が流れていく川べりを歩く
小さな空色の種が靴紐に絡まることも
すれ違う人の香水があまりにも強すぎることも
どうでもいいって思いながら
夢中になって誰かと歩いていく

太陽かなんかの光が電信柱に切り分けられている
まぶしい。くらい。
不愉快だ、気持ちいい。
君はいない。僕はいる。
不愉快は、もうここにはいない。
太陽が切断の不平を伝えるために
がれきを掘りおこしてレターセットを探す
光と切断をまたぐたびに
破裂する虹のような光が僕がここにいべきではないと
責めているみたいで
まぶしくて、くらい

すこしだけ腐っ
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