ハイパーソニック。まぶしくて、くらい、ハイパーソニック。/竜門勇気
 
腐った何かのにおいと
どこかでぶっ壊されてる建物のがれき
地面とぶつかる音と少しだけ舞い上がる小さな声
どこにも残らない過去の中で過ごした人、笑い声、床に落ちた靴墨
白く鈍って、もう磨かれることもないガラス
何度か訪れた強い雨で泥が散って少し汚れたドア
止まることが許されなかった部分
止まったままの全体
この街道で変わることができなかったのは誰だろう
今までは美しいと思っていた、破壊されたビル
何が美しくなっているのだろう
何が美しくなかったと思っていたのだろう




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